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日々の体験記

吃音営業マンのアポ取りテクニック

 

僕は吃音なので電話が苦手だ。

受けるのでさえ一苦労なのに、名乗ってかけるなんて以ての外だ。

そんな僕が営業マンとして2年ちょっと過ごしてきて、どんな風に営業しアポイントを取ってきたかをまとめてみた。

 

 

飛び込み営業

新入社員は入ってすぐは営業先もないため とりあえず飛び込み営業をさせられる。

僕も1年目はほとんど飛び込み営業だった。

その日行くエリアを決めて 駅周辺に営業をかける。

いきなり人の家にピンポンするのや 会社に訪問するなんて緊張してできない。

そこで僕は一度目の前を素通りし 来客がないか、優しそうな人かを確認し 営業先を選んでいた。

入ったものの、名前が名乗れないって事が多々あった。

そこで担当者に出てきてもらうまでは名乗らず(不動産業者ですと言い名刺を渡していた)担当者が来たら名刺を渡しながら名乗った。

これは今でも名前が言いづらい時に使っている。

ただ名刺交換をし、3分ぐらいで話しは終わってしまう。

そこで僕は、自分のプロフィールや趣味、得意なことを書いたパンフレットを作りそれを渡していた。

自分を最大限に売ろうとした。

そしてまた2週間後ぐらいに 「たまたま近くに来たので」と立ち寄ると 意外と話してくれたりする。

これを1年繰り返し 継続してお付き合いする方が7、8人は確保できた。

ただかなり効率が悪いし、夏は暑い、冬は寒いのでできればやりたくない営業スタイルだ。

 

業者交流会に行ってみた

何件か飛び込み営業をしていると 仲良くなる人ができる。

その方から業者交流会があるから行ってみればと言われた。

どうやら100人くらい集まるのでたくさんの名刺を入手する事ができる。

とりあえず名刺が欲しかった僕は参加してみた。

参加費は5000円。

サービスはお菓子と缶チューハイという今思うとかなりのぼったくり感はある。

会が始まると食べるのは後回しにし、 すれ違う人たちと名刺交換をした。

ここでは少々酔っていたおかげか あまり吃りは出なかった。

全員と名刺交換をすることはできなかったが 5、60枚は集まった。

 

電話でのアポイントの苦労と効率の悪さ

集まった名刺を次の日眺めながら 誰にアポを取ろうかと考えていた。

上司には「電話で昨日のお礼とともにアポを取れば?」と言われたので、「そうですねー。」と流しつつ、吃ったらどうしようと思いながら考えていた。

一先ず会社を出て、ショッピングセンターのベンチや公園で電話を掛けた。

ただこの時思ったのは電話を掛けても相手が必ず出るわけではなく、また携帯電話の番号を書いてなければ2度名乗らないといけないので非常に効率が悪いと思った。(2回吃るのかという不安もあった)

また、相手が忙しいと折り返しを待たないといけなかったり、手帳が手元にないと言われ日時の調整ができない点も効率が悪い。

なので、携帯電話の番号を書いてあるひとだけにアポを取ったので、10人ぐらいとしかアポは取らなかった。

 

メールでアポイントを取るメリット

やうやく社会人に慣れてきた3年目。

僕はアポイントはメールでしか取っていない。

メールでアポイントを取るメリットは ・相手が都合のいい時に返せる。 ・複数人に同時に送る事ができる。 ・何日か候補を送る事で、その中から選んでもらえる。 ・相手が電話に出ないストレスを感じない。 ・何より喋らずにアポが取れる

などだ。

吃音者に取って、喋らずにアポが取れるのが何よりメリットだろう。

僕が送っているメールの文章はこんな感じだ。

********************

お世話になります。 来週あたりまた情報交換を兼ねてお伺いさせて頂きたいのですが、下記の日時で、ご都合のよろしい日時はございますでしょうか。

◯月◯日 15時半以降 ◯月◯日 13時以降 ◯月◯日 10時半以降

上記の日時が厳しければ他の日時でも可能です。

お忙しいとは思いますがよろしくお願い致します。

********************

 

候補は3つぐらい送るのがベスト。

複数人に送っているため日時が被る可能性があるが、そこは優先度の高い人から返信していけばいいと思う。

メールを送り、2日経っても返信がないようであれば、仕方なく電話を掛けるかその人とはもう付き合わない方がいい。

 

名刺管理アプリ「Eight」でアポイントを取って数が急上昇!

最近流行りの名刺管理アプリ「Eight」。

これは交換した名刺を保管するだけではなく Eightをやっている人に名刺交換をリクエストする事ができ、承認されればメッセージを送れる。 Facebookや出会い系と同じシステムだ。

 

僕はこのアプリを使い 営業したい会社の役職が係長以下の人に申請を送り、承認されたら先ほどのメールを送りアポイントを取った。 なぜ係長以下にするのかは、課長以上だと僕みたいに若いのは相手にされない事が多いからだ。

メールを送った数に対して、半分は返信がありアポイントが取れた。

面識がない人にアポイントを取る確率からしたら、かなりの高確率ではないか。

僕はこのアプリを使い、毎週5件はアポイントを取り、営業先を開拓している。

 

まとめ

世の中には何個かアポイントを取る方法がある。 昔(上司世代)は電話しか考えられない、電話じゃないと失礼という風潮があったが、今はメールでアポイントを取っても何も言われない。

Eightはオヤジ世代は使ってる人がいないから会社で差を付けられる。

それぞれの時代にあったアポイントの取り方をし、無駄に喋らない営業を極め、吃音のストレスも軽減できたらなと思う。