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日々の体験記

長屋と共同住宅の違い

 

不動産業界で働いていると「長屋はやりますか?」と聞かれることがある。

長屋は古臭い言い方で近年はシェアハウスなんて言ったりする。

 

僕はこの業界で働いて丸3年が経とうとしているが長屋と共同住宅の違いがイマイチわからなので調べてみた。

 

共同住宅

共同住宅は、共用のエントランスがあり、共用廊下や共用階段からなるもの。

建築基準法上は特殊建築物に入るため、窓先空地などの敷地内避難通路や避難器具の設置、主要出入口の位置、その他自動火災警報機などの設備関係と数多くの規制を受ける。

 

長屋

長屋は各住戸と住戸の間の界壁以外共有する部分がなく、各住戸に外部から直接出入り出来るもの。

3階建てだとしても長屋の場合は住戸ごとに階段を設けるということになる。

また、各戸の玄関は直接道路に面する位置か道路まで続く敷地内通路に面することが規定されている

共同住宅のように二方向避難の必要は無く特殊建築物ではない。

 

従って東京都などでは特殊建築物は旗竿状の敷地には建築できないが長屋なら建てられる。

 

長屋・共同住宅の規制

長屋の規制は各都道府県の条例で行う。

長屋は特殊建築物には該当しないが、1棟の建築物に複数の住戸があるので各都道府県の建築基準条例で戸数制限や避難通路等の規制を設けていることが多い。

一方の共同住宅特殊建築物であるため、3階建て以上であるならば原則的に耐火建築物にしなければならない。

更に廊下幅員、2以上の直通階段の設置、避難規定等への適合が求められる。

 

共同住宅にはさまざまな緩和や特例がある。

特に共用部分の容積率不算入制度があるため、建築物の設計に大きく影響がある。

要注意点として、容積率緩和を適用した共同住宅を老人福祉施設に用途変更した場合容積率オーバーになるケースがある。

 

主な規定

長屋または共同住宅
・界壁には遮音性能が必要

共同住宅
・階数3以上は中間検査を受けなければならない。
・3階以上は原則として耐火建築物としなければならない。
・避難規定の適用があるが、住戸部分(200㎡以下)は避難階段、排煙設備、非常用照明の設置などが緩和されている。
・住戸部分(200㎡以下)は内装制限が緩和されている。(令128条の4)
・廊下、階段などの共用部分には容積率緩和がある。