吃音症とは
吃音症(きつおんしょう)という障害を聞いた事があるだろうか。
吃音症とは、発声時に一言目が滑らかに出なかったり、ある音を繰り返したり伸ばしたり、言いたいのに言葉が出てこない言語障害である。
原因は、一般的には緊張や不安などの心理的影響が強いと考えられているが、これといった明確な原因は不明とされている。
吃音は、言語発達の初期段階である幼少期(2〜3歳ごろ)に発症することが多いが、大人になってから発症することもある。
症状
吃音症とは、言葉が円滑に話せない言語障害である。 吃音の程度やどもりやすい言葉や場面には個人差がある。緊張していたり朗読や電話応対をしたりする、「あいさつ」などの日常よく使う言葉(言い換えができない言葉)など、どもりやすい傾向があるとされる。
他の身体的障害や言語障害と同様に、吃音は嘲笑やいじめの対象になる事もある。音読の授業で上手く喋れなかったり、挨拶されたのに返せなかったりで、周りから変なこと思われ、中には自殺する者もいる。自殺しなくても、上手く言葉が喋れないことで思いつめてしまいうつ病、対人恐怖症、、引きこもりなどの二次障害を引き起こすこともある。
吃音者は人と同じ事(自分の名前を言う、店で注文する、電話に出る、挨拶をする)ができない時が多いのだが、これを周りに知られるのを恐れ、必死に隠そうとする傾向が強い。
そのため、吃(ども)る言葉を言い換えたり、避けたりする事が多いので周りからは吃音だと気づかれず、カミングアウトして初めて気づかれる事が多い。
吃音者が吃音を隠すために費やす労力や精神的疲労の大きさは非吃音者には想像できないほどのものである。
種類
吃音には以下の種類のようなものがある。
・連発型 これは典型的な吃音の症状で 「あ・あ・あ・ありがとう」のように言葉の出だしが重複してしまう症状。
・伸発型 「あーりがとう」のように、言葉の出だしが伸びる症状。
・難発型 言葉の出だしがなかなか発せれず無言状態が続く症状。
・中阻型 会話の途中で声が出なくなる症状。
・混合型 吃りを気にするあまりに、別のタイプの吃りを併発する症状。
原因
吃音の原因ははっきり解明されていない。 幼少期に発症する多く、吃音症の9割が幼少期に発症すると言われている。 また、吃りの原因として昔から考えられているのが「心理的要因」である。 トラウマや学校や会社での過度の不安・緊張などのストレスがかかったときや、交通事故などでの身体的・精神的ショック後に、吃音の症状が出ることが多い。 脳の言語処理機能が低下していることや、脳の神経伝達物質の流れが悪いなどの研究結果が様々あるが、はっきりとした原因はわかっていないのが現状。 一部では遺伝が原因とも言われているがこれも定かではない。
発症率
吃音症の発症率は人口の1%と言われている。 100人に1人が吃音症である。
また吃音症を発症する年齢別の確率は 5歳以下:5% 6歳以上:1.2% 20歳以上:1.2%〜8%
男女比では女性に比べ男性の方が多い。
次回は吃音症の人はどのような特性ががあって、どのように接するのが良いかについて書く。